現代人は睡眠が足りてないと言われますが、中でも日本人は世界屈指の睡眠不足一族です。
OECD(経済協力開発機構)が2021年に行った平均睡眠時間調査では、世界30カ国中で日本人の睡眠時間はなんと最下位の7.3時間。
他国の睡眠時間を参考にすると、アメリカは8.8時間、中国は9時間、イギリスは8.4時間と、いずれも日本より1時間以上も長い睡眠をとっています。
そして厚生労働省が2019年に行った調査によると、男性の37.5%と女性の40.6%は睡眠時間が6時間未満との結果が。
6時間睡眠を14日間続けると丸2日徹夜した状態と同じ認知レベルになるそうです。
睡眠が不足するとこれだけのデメリットがあると言われています。
- 集中力の低下
- 判断力の低下
- 記憶力の低下
- 免疫力の低下
- 肌トラブルの増加
- ストレスの増加
- やる気が出ず鬱々とする
- 生活習慣病にかかりやすくなる
- 肥満になりやすくなる
- 短気になり怒りっぽくなる
睡眠不足にはこれだけ多くのデメリットがあり、メリットはほぼ存在しないと言われています。
しかし自分から望んで睡眠不足になる人はいません。
ほとんどの人は忙しかったり寝つきが悪かったりして、眠れない夜を過ごすうちに睡眠不足になるのです。
そして明晰夢は睡眠中に見るもの。
睡眠の技術を身に着けることは、安定した明晰夢成功への必須技術と言えます。
そこで今回はアメリカ軍で現在でも使用されている「米軍式睡眠法」をご紹介します。
この睡眠法はアメリカ軍のパイロット向けに考案され、2分以内で眠ることができるという極めて効果の高い方法です。
6週間の睡眠訓練で96%のパイロットが効果を実感し、コーヒーを飲んだ直後やマシンガンの銃声の中、椅子に座った状態でも有効だったというから驚きです。
もちろんこの方法を静かなベッドの中で行えばそれ以上の効果を実感できます。
明晰夢のためだけでなく、質の高い人生を歩むためにも一緒にこの睡眠法を身につけましょう。
目次
2分で眠れる米軍式睡眠法のやり方

米軍式睡眠法のやり方は非常にシンプル。
身体の脱力と意識の脱力を行い眠りにつくというもの。
身体の脱力時の注意点として、人間は完全に力を抜いたつもりでも実は力が入ったままになっているそうです。
本当に脱力するためには力を3秒ほど入れたあとに、ふっと力を抜く方法がおすすめです。
該当の部位に意識を集中して、1ヵ所ずつ脱力していきましょう。
米軍式睡眠法のやり方
1.横になり、顔の筋肉を脱力
顔の筋肉全てを把握するのは難しいので、目、舌、顎、頭の上半分、後頭部、顎の周り、首の順に脱力していきましょう。
目は力を入れたあと力を抜き、眼孔に眼球が落ちていくイメージを持つとより脱力できます。
2.肩と腕の筋肉を脱力
鎖骨周りをリラックスしたあと、右肩、右上腕、右前腕、手のひらと徐々に意識を移動させ脱力させます。
右側が終わったら左側も同様の手順で行いましょう。
3.胸、お腹、背中を脱力
ゆっくり深呼吸し胸を脱力させます。
胸が終わったらお腹、背中、腰と順々に行っていきましょう。
4.下半身の筋肉を脱力
はじめに股関節周りを脱力させます。
その後右太もも、太もも裏、ふくらはぎ、足首、足指と順々に脱力させましょう。
右側が終わったら左側も同様の手順で行ってください。
5.意識の脱力
眠るためには何も考えず、ぼーっとして身体の暖かさや気持ち良さに意識を向け「気持ちいいなあー…。」となんとなく思いそのまま眠りにつくのが理想的です。
何も考えないことが難しい場合は「何も考えない、何も考えない、何も考えない…」と10秒間繰り返しましょう。
そしてまた身体の暖かさ、気持ち良さに意識を向けてください。
米軍式睡眠法の極めて高い睡眠効果と注意点

米軍式睡眠法は1981年に出版された「Relax and Win:Championship Performance」の中で紹介されています。
この睡眠法はアメリカ軍のパイロットの訓練に導入され、96%ものパイロットが効果を実感し、コーヒーを飲んだ直後やマシンガンの銃声を聞きながらでも効果を実感できたと驚きの結果を出しています。
しかしこの睡眠法の習得には6週間もの訓練期間が必要とされています。
このテクニックを実施したアメリカのメディア記者は「4日目で効果を実感したが、3日目までは何も効果を感じなかった」と述べています。
何度も何度も繰り返すことで効果が大きくなる睡眠法のようです。
恐らく身体にも意識の脱力慣れが必要なのだと思います。
しかし一度習得すれば何回でも使えますので、不眠からは解放されすぐ眠ることができるように。
一生ものの技術ですので、ぜひ今夜から試してみてくださいね。
眠れない人は絶対知っておくべき睡眠の2つのポイント

ここからは米軍式睡眠法以外に、科学的に有効とされる睡眠についての知識と方法を紹介していきます。
人間が眠るために重要なポイントとして熱放散と交感神経があります。
深部体温と熱放散
日中の私たちの体温は高く保たれていますが、眠っている間は日中より体温が低くなっています。
眠る際に私たちは身体の芯の温度である深部体温が下がります。
動物の冬眠などをイメージするとわかりやすいですね。
この深部体温が高い状態から低い状態へ大きく上下した時に私たちは眠くなります。
逆に低い状態から高い状態になると目が覚めます。
深部体温を下げるための体温の放出は、主に足と手の甲からされます。
ですので眠る前は靴下をはかずに足と手の甲を露出させた方が効果的です。
そして睡眠中は低い体温も、朝が近づくにつれ緩やかに上がっていき、目が覚めるのです。
交感神経と副交感神経
身体中の様々な器官を繋いでいる自律神経のひとつである交感神経と副交感神経。
これらは睡眠に大きく関係しています。
交感神経は闘争や逃走を担いアクセルや緊張の神経と言われます。
何かで悩んでいたり運動時や興奮・緊張・恐怖などを感じる時に優位になります。
副交感神経は癒しや回復を担い、身体をメンテナンスする神経と言われます。
食事中や睡眠時、リラックスしている時に優位になります。
これらの神経は血圧や呼吸・心拍数・精神状態などに大きく関わります。
眠りたい時には副交感神経を優位にする行動を取れば身体も心もリラックスし、快適な睡眠に近づく…という訳です。
今ご紹介した2つのポイントはこれから紹介する早く眠るためのコツに大きく関わってきます。
米軍式睡眠法以外の早く眠るためのコツ

寝る際に睡眠法を試す以外にも、夜快適に素早く眠るために前準備できることはたくさんあります。
長年快眠した経験が無い方は「夜気持ち良く眠る」そのためだけに1日をかけて準備するとより確実に眠ることができます。
朝日を浴びる
まず第一に朝日を浴びることが大切です。
朝日を浴びると眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられ、脳を覚醒させる「セロトニン」が分泌されます。
この眠気を誘うメラトニンは目覚めの日光を浴びてから14時間後に再分泌されます。
ですので例えば夜10時に眠りたいのなら午前8時以前に朝日を浴びておこう…と逆算することができます。
眠りたい時間の14時間半前に浴びると丁度良いですね。
そしてこの朝日を浴びる行動は人間の体内時計をリセットする効果があります。
人間の体内時計は25時間なので、朝日を浴びなければ1時間ずつ遅くなってしまい夜型に近づいていきかねません。
夜にしっかり眠るために朝日は必ず浴びるようにしましょう。
身体を疲れさせる
1日中ごろごろとだらけて過ごしたらと夜全然眠れない…という経験をされた方も多いのではないでしょうか?
運動は睡眠の質を高め、眠りやすい状態にします。
運動で体温を高めることで、深部体温の上下をより大きいものにすることが可能です。
また単純に肉体が疲れている方がよく眠れます。
よく眠るためには睡眠の3時間前に軽いジョギング程度の運動を30分ほど行うことが睡眠に効果的だとされています。
激しい運動は交感神経を優位にさせるので、眠る直前に行うことはおすすめできません。
個人的な経験としては、お昼から夕方までテニスなどの激しめのスポーツを行うとより深く眠ることができました。
1日中運動しないでごろごろしてると早く眠ることも深くぐっすり眠ることもできません。
運動をしてこなかった方も軽いウォーキングから始められてはいかがでしょうか。
湯船にゆっくり浸かる
眠気は深部体温が大きく下がった時にやってきます。
ですのでお風呂でゆっくり浸かり深部体温を最初に暖めておくと効果的です。
眠る予定の時間から1時間から2時間ほど前に38度~40度ほどのぬるま湯に30分ほどつかりましょう。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで深部体温を上げます。
副交感神経が優位になることでリラックス効果も。
熱いお湯では身体に負担がかかり交感神経が優位になってしまいます。
睡眠には適しませんので、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かりましょう。
寝る体勢と環境も意識
寝る体勢と環境も併せて意識することをおすすめします。
寝る体勢は仰向けが良いですが、普段眠りやすい体勢でも問題ありません。
今回の睡眠法は椅子に座った状態に騒音の中でも眠れるよう開発されたものですが、もちろん静かで安定した環境の方が眠りやすいことは間違いありません。
暑くも寒くもない適温で余計な光を部屋に入れず静かな環境にします。
服は柔らかくゴワゴワしていない着慣れたものを選びましょう。
2分で眠れる米軍式睡眠法まとめ
睡眠は人間の三大欲求の1つであり、ストレスや免疫にも大きく関わっています。
不眠や睡眠の質の低下は人生の満足度を大きく低下させる要因と様々な研究で実証されており、その重要性は我々が考えるより遥かに大きいのかもしれません。
明晰夢でも二度寝やMILDなど眠りにくい状況で眠る必要がある場合もあります。
睡眠の技術は絶対に役立つので、今夜から練習しこの技術をモノにしましょう。